私の手術道具は試行錯誤の末、以下のものを基本セットにしています。
バイポーラ

出血点を焼却し、止血します。
私はエルマン社のものを使っています。何度か新製品が出ると買い直しています。
モスキート

小さな点(約1.5ミリ)でしっかりと組織を掴み、引っ張る時に使います。
皮膚表面には絶対に使ってはダメ。摘み傷が残るから。
形が蚊に似ているからモスキートと言うそうです。
極小剪刀1

組織を取り出すのに必要なハサミです。
これも皮膚表面には使いません。皮膚表面はメスです。
極小剪刀2

フック鑷子(せっし)

皮膚表面を掴むためのピンセットです。
針のような細いポイントで皮膚を引き寄せるので、
手術後に掴み傷跡が残らないように仕事ができます。
みなさんがよく見かけるピンセットで皮膚を掴むと跡が残るからです。
先はこんなです。

一番気を使う器材で、滅菌処理の時にうっかり何かに先をぶつけてしまうと
先のフック部分が折れ曲がってしまいます。
色んな会社のものをいつも試しています。国産の榊さんのものが今は一番気に入っています。
持針器


先端の針を挟む部分がダイアモンド製なので、極小針を挟んで滑らずに操作できます。
ダイアモンド以外の先端のものは、手術中血液がつくと滑って針を掴みにくいと感じます。
縫合針

エルプ社のものを愛用しています。
極小の針にすでに糸が取り付けられています。
針の細さや形に多くのバリエーションがあります。
糸の太さも各種あり、顔のように皮膚が薄いところと足の裏のように硬いところでは
糸の太さを変えます。