2024年03月30日
ケガで爪の下に血が溜まっている「爪下血腫」の血抜きについて
ケガで、足の爪の下に血が貯留する「爪下血腫」のご相談が
相次いでありました。
春のアクティブな気候と関係があるのかもしれませんね。
爪下血腫について、原因と治療をお話します。
爪下血腫(そうかけっしゅ)は
爪の下に
血が貯留している状態(血腫)です。
あまり痛くなく黒くなっていることで気づく場合と、
痛みで我慢できずに気づく場合があります。
痛みに気づきにくいパターンは、
長く歩行した時や登山で、
靴の圧で爪が押される場合に多いようです。
激痛があるのは、上から重いものを落とした時に多いようです。
そのような圧で、爪の下に出血が生じます。
その血溜まりを血腫と言いますが、それによって
爪はぷかぷか浮いたようになります。
治療は
痛みが強くない場合は、生え替わりを待ちます。
下から新しい爪が生えてくると
黒い爪は追い出されるように入れ替わります。
完全に入れ替わるのに6ヶ月から1年かかります。
痛い場合は、爪の下に多量の血液が出口を求めて貯留している状態なので
針などで穴を開けて、
血を出します。
その場で痛みが軽減するので、喜んでいただいております。
posted by 皮膚科芦屋柿本クリニック at 13:29| 足・爪・靴に関する疾患
2024年03月27日
新しい方式「土曜日のお薬の処方について」
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3/28追記
診察時間が変更することで、私たちが一番心配しているのが
土曜日の会計待ち時間のことです。
お薬を受け取りに来る方は、すぐに会計をして持ち帰えることを
ご希望になります。
お気持ちはわかるのですが、そうされると、
私の診察が終了して会計を待っている方々を後回しにして
薬の方に対応しなくてはならず、
診察が終了しているにも関わらず、なかなか会計が回ってこない患者さん
に、ご迷惑が及ぶことが
以前から私たちの中で心配していることでした。
特に患者さんが集中しがちな土曜日に関して、この機会に対策を考えましたので
どうぞご協力をお願いいたします。
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状態が落ち着いていて
薬剤の使い方を守ってくださっている方は
その月はお薬だけ処方することも
患者さんの便宜を図って行うことがあります。
しかし、昔と違ってきたことがいくつかあります。
1)ジェネリック医薬品の使用を政府が強く推奨している
2)そのジェネリックの薬剤価格を政府が低く設定する
3)その値段では良質なジェネリック薬が作れなくなって廃盤にする
4)原料の高騰でジェネリックだけでなく正規品も赤字化するが
薬品価格は政府が決めているので上げることが出来ず
生産や流通を制限する
5)能登の震災で工場が被災し流通が止まっている
6)調剤薬局間の競争が熾烈になり、大手に優先的に流通が優遇される
以上のような状況です。
当院は現在のところ、
主要な皮膚疾患の治療に困ることはない状況です。
ただ、
「大量の欲しい」
というご要望には、流通の先行きを考えると難しい状況に
なっていることをご理解ください。
また大量処方は、疾患の状況の変化に対応できないことになり
危険でもあります。
その都度の診察の中で必要な薬を必要な量処方することを
ご理解ください。
それから、大切なインフォメーションですが
4月からの当院の診察時間の変更に伴い
4月6日からは
土曜日には
「診察室に入り、医師の診察を受ける」という方を優先することに
させていただきます。
そのため、薬だけを受け取りに来る方のために
受付窓口が混雑することは避けたい
という願いから
事前に必要な薬を電話で予約してください
受付に取りに来るのは午前9時にお越しください。
何名かお待ちの時は並んでいただくことにご理解ください。
午前9時半からは通常の診療の方が来られますので
その方々が来られる前に受け取りに来ることをご協力ください。
9時に来れなかった場合は、診察室に入っていただくことになります。
診察の方の順番にお待ちください。
以上、診察の方々の優先をご理解いただきますように
どうぞよろしくお願い申し上げます。
(土曜日以外のお薬の受け取りは以前からと同じです。)
このような事情で
posted by 皮膚科芦屋柿本クリニック at 09:55| 医院からのお知らせ
2024年03月26日
28年の「夜診」を終えるにあたって
1996年8月に芦屋市に開業してから、実質午後7時を超える「夜診」を
28年間続けてきましたが、それも今週で終わりです。
来週、令和6年4月1日からは、午後4時半で営業を終了する業態に
変えることになりました。
私が開業した時に芦屋市で開業診療していた先生は、
閉院するかお子さんに代替わりしてずいぶん減り
私は芦屋市医師会の名簿を見ても、最古参の一人と言っても良いほどになりました。
開業歴では長いですが、実年齢では私より上のドクターが半分以上で、
私もまだまだ不都合なく働けるので、
自分なりに積み重ねた経験知識を
これからは、時間変更をしてご提供することを
どうかお許しください。
開業医は、
途中いろいろなモチベーションで営業を続けてきますが
年季とともに剥がれ落ちていき、
最後はシンプルな「善意」が残されます。
ただ、善意を人に伝えるのは大変難しいです。
その日の自分のコンディション、患者さんの気分、気候、災害
いろんなことに影響を受け、
伝えることができないままで終わる日も少なくありません。
私はすっかり腹が座って、善意が届かない日も、それなりに
自分で冷静に評価できるまでに 開業医経験を積みました。
しかし、まだ、開業して日の浅い頃は、意思が伝わらない
空回りに傷つき、苦しんだ頃もあったように思います。
それは今思うと、
相手のことを察して上手にすり合わせすることが
できなかった幼さのようにも反省します。
これから「午後2時から4時半」という未知の時間の
診療が始まります。
その時間にしか来れなかった方々との新しいお付き合いが
始まるかもしれません。
一方で、今までの「午後4時半から6時半」にしか来れない方々
とは、もしかしたら一旦お別れになるかもしれません。
寂しい気持ちと新しい予感で、今はちょっと不安かな。
でも心強いスタッフたちと、状況の変化の中でも支え合って
暇な日も忙しい日も
いい医療を提供できるように、これからも研鑽します。
4月以降も、当院をどうぞよろしくお願い申し上げます。
posted by 皮膚科芦屋柿本クリニック at 17:52| 医院からのお知らせ
2024年03月25日
脂性肌というカテゴリーに当てはまる方は実はほとんどおられない、という診療現場のお話をさせてください。
脂性肌、もしくは「あぶら性(しょう)」という肌の分類に
皮膚科診療歴34年の私には、違和感があります。
それは、
当院で治療が済んだ方々なら実感してくださっていることです。
脂性肌は、間違ったお手入れで「作ってしまう」ことがあります。
解説しましょう
図1 皮膚の構造
この図は、まさに「理想の皮膚」を表現しています。
艶、ハリ感、水分十分でプリプリ。
透明感がある。
5万人以上の患者さんの肌を見てきた私の考える
「理想の肌」です。
少々シミがあってもシワがあっても、
上記の条件が整っていれば、
その人の肌の状態はとてもよく見えるものです。
対して、私が思う危ない肌は
赤く擦り切れて傷んでる肌。
例えシミやニキビがなくても、医学的にも
良い状態ではない、と心配します。
この状態は、後から出てくる「図8」の状態です。
図2 角層(角質層)の大切さ
どうして図1が理想的な肌かというと、この図2で強調している
角質層が十分にあるからです。
図3 「角質層」は水分の貯留場所、ベッドでもある
この層は、透明できらめく組織で、水分の貯留場所でもあります。
しかしとても剥がれやすいので、気をつけて守らねばなりません。
図4 皮膚に油気を与える皮脂腺
ヒトの産毛の根本には皮脂腺があります。
ヒトは毛穴を通じて皮脂を出します。
図5 皮脂は表面に油分を与えます。
全ての毛穴から、脂が出るのです。
図6 水分貯留場所である角質層がある場合は
そこで、表面の角質層が持っている水分が十分な時に
大成功!
図7 良質天然保湿クリームの完成
水と油が程よく混じり合って、透明感とハリ感のあるベールを
皮膚表面に作ることができるのです。
図8 現在のよくある問題 激落ち洗顔や、ゴマージュ、ピーリングは
この大切な角質層をわざわざ化学的に剥がしてしまう方法です。
下図の正しい肌と比べてみてください
図9 水分貯留場所を失っても、皮脂はコンスタントに出てくるので、
組む相手のいなくなった脂だけが過剰に感じます。
こういう状態を「脂性肌」と思い込み、
さらなる激落洗顔やピーリングをしても理想の肌とは近づけません。
多くの人、もしかしたらエステティシャンや美容部員さんも
この肌の仕組みの本当のところを知らないまま
安易にピーリングを勧めていませんか?
また、患者さん本人も、スマホ情報を頼り切っていませんか?
脂性肌だと思い込んでおられた若者たちが
私の話に納得してお手入れを変更していき
理想の肌に戻っています。
特に自費治療などしなくても
「こつ」を掴んだ若者たちの治りは早いです。
実は
理想の肌=本当は本人が持っている肌
なのです。
その潜在能力を引き出してあげるのが、私の目指す皮膚医療。
1990年代日本で最初期にケミカルピーリングを取り入れ
数々の女性誌で取材を受けた当院ですが
治療の中で上記のような気づきがあり
そういう理由でピーリング施術はおこなっていないのです。
posted by 皮膚科芦屋柿本クリニック at 16:57| その他のいろんな皮膚科疾患の治療
2024年03月23日
雨の土曜日のクリニックの窓から
今朝は雨で冷え込み、そうすると当院の前のダイエーさんの
温かい色の照明に癒されます。
元々、日本景気がとても良かった頃にダイエーさんが作った
欧州の食材が手に入る高級スーパーだったので
外観も内装の照明なども上品です。
私どもの入居しているこのビルも
ずっと昔から私はいつもなんて素敵な建築だろうと
通るたびに見ていたものですから
そこに入居できていて、とても幸せです。
関西でも、こんなビンテージビルは減ってきましたね。
貴重です。
ダイエーさんと私どもクリニックの間にある駐車場も
平置きでゆったりしており
当院の患者さんも、ここをご利用できます。
位置関係ですが
ピンクの線のところが国道2号線です。
大阪・西宮方面からですとフォルクスさんから
入庫できます。
フォルクスさんも、当院やダイエーさんと同じ共有の駐車場です。
神戸方面からの場合は、エネオスのある交差点を南下して
すぐに駐車場入り口があります。
今日はこの雨ですから、
昼食はフォルクスで
ダイエーで夕食の支度を買って
なんていうのも、とても良いでしょうね。
posted by 皮膚科芦屋柿本クリニック at 09:22| 医療以外のつぶやき
2024年03月21日
春に向けてのヒートマスク導入のご案内。4月からの予約枠について
春は、最も肌の状態に気を使う時期かもしれません。
春分の日を過ぎると、紫外線量は上がってきます。
しかし、まだ冬並みの乾燥した気候も続き
肌はコンディションを整えるために
皮脂の分泌を強めていきます。
そんな困った状況を整えるためにも
この時期のヒートマスク導入は効果的です。
許可を得て掲載させていただきました。
ホットタオルのような快適な暖かさの石膏マスクで
皮膚深くに、当院開発のビタミンカクテルを導入します。
よく尋ねられるので恥ずかしながら私の肌の手入れなのですが
ビタミン剤やトラネキサム酸の内服はしません。
ヒルドイド等のヘパリン類似物質も顔には塗りません。
(長期使用すると副作用が心配なので)
ただ、このヒートマスク施術だけは、欠かさないようにしています。
あとは当院のコスメは欠かしません。
自分自身が責任を持って、長期治験している気持ちでいます。
安心してご利用いただける、品質の良い
効果の期待できる施術だと思っております。
4月からの施術枠なのですが
午前は(月火水木金土)
最初の枠は9:20開始
最終枠は11:00開始。
午後は(月火木金だけです)
最初の枠は14:00開始
最終枠は15:40開始。
午前午後ともに最大6〜8名様の施術が可能です。
ご家族でのご利用が多いのも当院の特徴かもしれません。
所要時間は約4〜50分です。
もう4月以降の
ご予約をいただいておりますので、どうぞご連絡ください。
お久しぶりのお手入れの方も、
この春先に、どうぞ。
posted by 皮膚科芦屋柿本クリニック at 09:07| 医院からのお知らせ
2024年03月19日
4月1日から午後の診察が前倒しされます。
4月1日から、午後の診察を前倒しします。
一番大きな目的は、
「優良なサービスを提供していき続けたいから。」
そのために必要なのは、スタッフの協力です。
偶然ですが、4月から「医師の働き方改革」が始動します。
従来の医療現場は時間外労働が多く、人材の確保が難しい。
医療従事者の仕事負担が多く、そのため事故の原因になっている。
それを政府主導で改革しよう、という政策です。
当院も時間変更することで、スタッフの負担を減らし
今後の勤めやすさを維持することが
永年勤務につながって、
スタッフ一人一人の技術がスキルアップできることになり
患者さんへのサービス向上につながれば、と願っています。
このような取り組みは、きっと社会全体に広がっていくことに
なると予想していますよ、私。
そして、まだ準備段階ですが、きっと皆様に喜んでいただける
ある保険治療を復活させるつもりでいます。
いいご報告ができるように、準備を進めています。
今後も阪神地区の患者様に愛されるクリニックとして
頑張りますので、どうぞご期待下さい。
posted by 皮膚科芦屋柿本クリニック at 09:21| 医院からのお知らせ