2017年12月01日

自家感作性皮膚炎の原因と治療。必ず治りますので根気強く!




自家感作性皮膚炎(じかかんさせいひふえん)


は、当院でも、取り扱いの大変多い疾患です。




患者さんに説明するときは、


「軽い湿疹を治療を十分にしないまま増悪させていって
 その増悪の極度に悪化した先に行き着く疾患」


であると説明します。








自家感作性皮膚炎の成立するまでの流れを
追ってみましょう。










1小さな虫刺されくらいからスタートする

虫刺症1.jpg








始まりはごく軽い湿疹や、虫刺されから始まります。
この時のことをあまり覚えていない患者さんも多いくらいですが
軽微な始まりが必ずあります。
ただの蚊による虫刺症であることも多いのです。

この写真にあるように、初発は膝下であることが、圧倒的に多いです。












2摩擦や掻破により拡大する。

自家感作性皮膚炎1.jpg



ストッキングやズボンなどにより、湿疹表面が摩擦を受けたり
実際に手で掻破したり、
まだこの段階では深刻さがないので、つい日常行ってしまいがちな
行動によって、静かに病状は進行していきます。



この時点での皮膚科受診が本当は必要です。
そして、ステロイド外用でしっかり治すことに躊躇しないでください。











3炎症の拡大と浸出液

自家感作性皮膚炎2.jpg


炎症は拡大し、一部コインの形をした貨幣状皮膚炎へと移行していきます。
不十分な治療しか行わなかったり、掻破や衣類のすれによって
炎症細胞が増産されるからだろうと言われています。

初発の部位を「原発巣」と言います。
ガンでもなく、細菌感染症でもないのですが、
ここから周囲に小型の皮疹が広がり始めます。

もうかなり重症ですが、放置すると次の段階に悪化します。









4全身への飛散。「自家感作性皮膚炎」の完成像。




とうとう全身に飛散します。それを「散布疹」と言います。



背中への散布疹
背中.jpg



上肢への散布疹
腕.jpg






ここまで全身に飛散した状態で、「自家感作性皮膚炎」という名称がつきます。









最初に申し上げたように、
自家感作性皮膚炎は
「軽い湿疹を治療を十分にしないまま増悪させていって
 その増悪の極度に悪化した先に行き着く疾患」
です。



治療に数ヶ月、年単位かかっている話もよく聞きます。












自家感作性皮膚炎の治療




多くの病巣部から浸出液がたくさん出るので、
皮膚科以外のドクターが見た時、とびひ(伝染性膿痂疹)と間違われることが
多いようです。

そのため、細菌感染症の治療をされ、
消毒をされてしまい、増悪するケースもあります。




短期間、抗生物質を内服してもらうこともありますが、
あくまで皮膚炎グループの疾患ですので、
それだけでは治りません。




勝負は、初診からの1週間と考えています。

まず、拡散を止める。そして乾かす。



そのためにステロイド内服は絶対に必要ということはありません。
ただ、全身に散布されている場合は、その散布疹の一つ一つが
炎症細胞の産生場所となっているため、
その炎症を一旦は沈めるためにステロイド内服をしていただくこともあります。
でも、どんなに長くてもステロイド内服は2週間。
ほとんどの症例で、私は5日くらいで切り上げます。





その代わり、最も大切な治療は外用療法です。
そして原発巣を完璧に治すことが最優先されます。




もうずっと何十年も昔から、
自家感作性皮膚炎には亜鉛華軟膏での湿布が効果があることは
わかっています。



当院でも、まず亜鉛華軟膏、です。


患部に
自家感作性皮膚炎2.jpg


隠れるほどの亜鉛華軟膏を外用します。
亜鉛華軟膏2.jpg
症状によってはステロイド外用剤を一緒に塗ることもあります。




そしてガーゼで覆ってから包帯をします。
包帯2.jpg



この交換を1日2回、必ず行っていただきます。
シャワー浴は可能で、患部は軽く石鹸で洗っていただけます。
消毒はしないでください。





今は亜鉛華軟膏がシート状に伸ばされたものがあるので
そちらを使うのも、とても便利です。







多くの患者さんが、亜鉛華を塗った瞬間から
「ひんやりして痒みがひいた」
とおっしゃいます。





最初の1週間、この手間をかけたガーゼ交換をご自宅で
行っていただくと、

1週間後の受診時には、ほぼ最悪の時期を脱しているはずです。

そのあとは、治療を緩めながらガーゼ保護を必要としないところまで
数週間。

そこまできたら、あとは湿疹の跡の色素沈着の段階に入ります。







自家感作性皮膚炎の治療は粘り強く、根気が必要ですが
大きなミッションをコンプリートする気合で
取り組むことが大切です。



また、治療中、新たな病巣を増やさないように、
虫除けスプレーなども使用しながら
注意を切らさないようにすることも大切です。








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医療法人社団双樹会
皮膚科 芦屋柿本クリニック http://ashiya-kakimotoclinic.com
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診療時間柿本クリニック.jpg











posted by 皮膚科芦屋柿本クリニック at 12:40| その他のいろんな皮膚科疾患の治療