2017年12月07日

低温やけどの重症度の見分け方






低温やけどは、
カイロや湯たんぽなどで
約44度で6〜10時間、同じ部位が触れていることで
生じるヤケドです。


接している時間が長いほど、熱は皮膚深部まで
浸透します。



6時間以上の接触では脂肪層まで達することがあります。


低温やけど深い.gif




3時間ほどで気がついた場合では真皮層くらいでとどまります。



低温やけど浅い.gif









深く達してしまった熱は皮膚を変性させますが
一気にそれが起こるのではなく、
約2週間ほどかけて症状が露わになります。




脂肪層まで達するような重症の低温やけどの場合、
4日目までの症状としては
プリッと光沢のある水疱のことが多いです。

低温やけど4.gif




浅いヤケドの水疱は手で突くらいで破けますが、
低温やけどの重症の場合の水疱は硬く、
突いたくらいでは破けません。




このような水疱で来院された時には
かなり深いやけどの可能性が高く、治療に時間がかかることを
お伝えします。




その後、水疱部は時間の経過とともに様子が変わってゆき
3〜4週間で黒変します。


低温やけど13.gif





壊死が生じた部位です。



逆に、変色していない部位は無事だったところなので
患部の重症度が分析できて
治療の方針が立ちやすくなります。




これからの季節、寒さと深い眠りが一番の原因となります。
ぐっすり眠ってしまいそうな、
飲酒後や睡眠剤内服時は

カイロや湯たんぽの使用は控えた方がいいかもしれません。












posted by 皮膚科芦屋柿本クリニック at 11:25| 湿潤治療・ケガ、やけど
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