2018年07月23日

暗闇の中の光明なのか、新薬発売を、今までのご自身の治療を振り返る契機に。「デュピクセント皮下注」。


今日は重症のアトピー性皮膚炎の暗闇にいる人へ向けた呼びかけの記事です。
長くなります。


先日もお話しした、デュピクセント皮下注の詳細をまとめた冊子を
皆様にお配りできるように数部用意していただきました。

関連記事「アトピー新薬「デュピクセント皮下注」の研究発表の会に行ってきました。」







IMG_0690.JPG







治療内容を詳しく掲載していますので、
診察室でお尋ねください。









また、同じくサノファ株式会社さんから、こんな冊子も預かりました。



IMG_0688.jpg




アトピー治療に向き合った一人の女性のインタビュー冊子です。
表紙の女性Oさんです。







彼女は、とても健康なスポーツ好きな女性でしたが、

(以下原文ママ)
大学三年生の時にアトピーが悪化し、この頃にちょうど
「アトピーの薬は塗っていると効かなくなる。副作用で悪化する。」
という情報が世間的に流れていて、自分も薬のせいで悪くなっている
のかもしれないと治療を疑うようになりました。
そしてインターネットで調べた情報をもとに、それまで通っていた病院の治療を完全に止め、
漢方治療に切替えたのです。肌の状態はみるみる悪化し、
自分の気持ちも肌の状態に同調するように、怒り、嫉妬、自己否定、
不安、ネガティブな感情が心の中に渦巻きました。

(以上、原文ママ)






この状態の患者さんは全国の皮膚科外来で大変多くおられます。
先日の会合でも、ある大学病院の先生の発表で

「アトピー性皮膚炎で死にたくなる」と感じる患者さんが実際におられること、
そのことを医師は気づいていない場面もあること、

をお話しになっていました。






私も28年のアトピーの診療歴の中で
本やネット情報を信じて
実際の治療現場の膨大なデーターに基づくスタンダード治療を否定する患者さんを
たくさん診てきました。



私も若い頃は熱心に、患者さんの方向性に無理があることを
話していた気がします。
とてもエネルギーのいることですし、逆に恨まれたりすることも
多い、医師にとっても一番デリケートでストレスフルな場面です。




気がつくと、最近は
「また、そういう患者さんだ」と思うようになっていて、
一旦はステロイド外用や紫外線療法というスタンダード治療を持ちかけますが
激しい否定を受けると、
「スタンダード治療をしないと今後も難しいのになあ」と
思いながら、それ以上の説得は控えてしまいます。
やはりどこかに患者さんとの揉め事を避けたい気持ちが
あるのだと思います。





冊子の続きを読んで行きましょう

(以下原文ママ)
肌の状態が一向に改善しなくても、一度良いと信じたことから人はそんなに簡単に抜け出せないものです。
薬を完全に止めて、漢方治療に切り替えてから5年もの月日が立っていました。当時は事務の仕事をしていましたが、会社はやすみがちで、さらに生活の様々なことは親に頼っていました。

(以上原文ママ)




その後、彼女はお母様の勧めた病院を受診し、
スタンダードな治療で入院も経て約1ヶ月後の朝
会社へ向かう道を輝く太陽の光を浴びながら上を向いて歩いていたそうです。





さて、しかし、実は、この病院での治療も最初は彼女にとって
納得のいくものではなかったようです。
別のページでの主治医との対談で彼女は



(以下原文ママ)
(母からの紹介の)病院に来れば何か新しい治療法があると期待していたのですが、
先生が引き出しから取り出した薬は、それまでも私が使ったことのあるもので、
「もう、その治療ならやって来たの!」という想いが強く込み上げて

(以上原文ママ)


主治医ドクターは


(以下原文ママ)
初診の時、私が薬剤の説明を始めたら、
Oさんは診察の途中で帰ってしまったのは今でも記憶していますよ。
悪魔を見るような目で私を見ていましたから
(以上原文ママ)





はい、アトピーの方が陥りやすい「不信」の状況ですね。
当院でもよくあるケースです。



そこから、彼女がアトピーのことを勉強し、現代医療を信じ
入院までして改善させるまで、家族や恋人の強い説得もあったようです。



1自分の独自の方法で悪化(スタンダード治療への不信)
2社会生活に支障
3家族の説得
4考えの軟化




ここでの転機は3の熱意だったように思います。
なんせ主治医まで睨みつけるほどにこじれていたのですから。


皆さんの周りにも
熱意を持って説得してくれる人はきっといるはずですが、
心を閉ざして聞く耳を持たない状況に陥っていませんか。


自分のしたい治療法を受け入れてくれる医院を
探して行脚していませんか。


素早く直し、社会と乖離しない、それが心の状況もよくし
治療効果を高める努力(通院や自宅治療)に結びつくのではないでしょうか。


重症で会社にもいけないあなた、
あなたの病院や治療に向けている不信は、本当に正しいものでしょうか。
医師からスタンダード治療を勧められても跳ね除けていませんか?


それは、あなたという貴重な人材を損なう社会(会社)の損失であるだけでなく
あなた自身が得することもない、不毛な状況になっていませんか?




デュピクセント皮下注までは使用しなくても、
多くの患者さんの治療効果や副作用情報を集積して編み出された
スタンダード治療に、もっと信頼を持っていいのではないでしょうか。



この冊子は、待合室の本棚においております。
ご自宅でお読みになりたい方はスタッフまで。



















posted by 皮膚科芦屋柿本クリニック at 12:07| アトピー性皮膚炎