2020年10月16日

「この化粧品でかぶれたかも」と思った時にすべきこと





この化粧品でかぶれたかもと思った時にすべきこと


化粧品や毛染めでかぶれたと思った時、どう行動すべきでしょうか。
当院は私が化粧品に詳しいと思ってくださる方が多いからか相談も多く、
様々な事情のかぶれ症例に立ち会ってきました。
大手の化粧品会社の本部の方の立ち会いのもとかぶれた方を診療する、
なんてヒリヒリする体験も数回ありました。
(患者さんが会社に電話をして対応を求めた結果、同行することになったとのことでした。)



その中で、何が一番患者さんのためかを考えた時の取るべき行動をまとめてみました。
NG行動、正論、妥協案の3つです。




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まず、かぶれが起きた時に、患者さんが思いがちなことは
「変な成分が入っていたためにかぶれたのでは?」という疑念です。


確かに、過去に大型裁判になった化粧品の事例が私が開業してからも何度かありました。
それらの事件級の事例では、全国に多くの患者さんが出ましたから
私の医院でも診察することがありました。


ただ、こんなことは、本当に本当に稀です。


多くの場合、原因はご本人の特殊なアレルギー体質によるもので、
通常なら反応しない物質にかぶれてしまうことが原因です。


例えば、ゴムアレルギー。
生活に必要なゴム製品ですが、一部の人は触れるとかぶれてしまいます。
かといって、ゴムを撲滅させるわけにはまいりません。



ですので、「責任者を出せ」とか、慌てるような行動は、ひとまずおやめください。
まずはすべきことがあります。



それは「パッチテスト」です。





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何が原因でかぶれたか、それを知る方法は医学的な裏付けを求めるなら
「パッチテスト」です。



製品そのものを調べることもできますし、
時に当院は成分のパッチテストを引き受けなくてはならない時もあります。
患者さんの要望で、合わない成分をはっきり知りたいという場面です。


ここに
化粧品の裏面に書いてある全成分表があります。

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この成分全部が合わないということはあり得ないので、
この全部の成分の中のどれが合わないかをパッチテストで割り出します。


そして今後は化粧品を買う時に
それが入っている製品を買わないようにするのです。



まさに、正論、なのですが、ここで問題があります。



それらの成分は、化粧品の会社にご本人が連絡して
分けてもらわねばなりません。
そんなことができる会社は、なかなかないのが実情です。



そうであれば、製品そのもののパッチテストを行うか、ということになります。
どの成分が原因かとまではわかりませんが、かぶれる製品が特定できます。
通常、当院が最も普通に行なっている手段です。
手順は以下のリンク先をご覧ください。


関連記事「パッチテストの方法」






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さて、上記の正論でお話ししたように、パッチテストが原因特定には欠かせませんが
リンク先の手法を見て、げんなりすることになったと思います。

そう、本当に大変な検査なのです。

「とてもできない」という方も多いと思います。




そこで、「妥協案」です。



「怪しいと思うものを使わない。」




もっと詳しく現場の状況をお話しします。


当院に来院した顔やまぶたの腫れ上がった患者さんを治療するには
ステロイドの内服や外用が必要です。


完全にお化粧はストップし、お仕事も休んで3日ほど集中して治療に専念する。
3日後に来ていただいた時にはほぼ正常の肌を取り戻しておられます。



(残念ながら、どうしてもメイクをしての仕事が必要な場合は
 治りは少し遅くなることを覚悟しなくてはならないでしょう。)




ほぼ正常に戻ったら、今度はどの製品が原因だったかを、
自分の肌の上で確かめてゆくのです。

もし原因の製品を慌てて塗ってしまうと再発しますので、とても慎重に行なってください。


試す場所を定めて、1品目ずつ顔に塗ります。


例えば右頬だけに塗ると定めてUV下地をを1〜2日塗る。
大丈夫なら、次に同じ右頬にUV下地の上からファンデーションを塗ってみる。

など、化粧の工程を順番に片方の頬だけに試していきます。

数日かけて全ての製品が大丈夫ならば、顔全部に塗る、という方法です。



「あれ?化粧品全部塗っても、大丈夫だったわ」という結果であれば・・・・

思っている化粧品が原因ではなかったようですね。




そして、もし再発したり、重症化した時は、やはりパッチテストが欠かせません。
大変な検査ですが覚悟を決めて行うことが相応しいでしょう。






















posted by 皮膚科芦屋柿本クリニック at 18:13| その他のいろんな皮膚科疾患の治療