2021年05月27日

アトピー性皮膚炎と化粧品アレルギーと新型コロナウイルスワクチンの接種について


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市民への接種が開始されました。

芦屋市でも85歳以上の方への新型コロナウイルスワクチンの集団接種が始まりました。
私の所属する芦屋市医師会や、薬剤師会、行政の方々、シルバー人材センターの方々の協力で
市内の3ヶ所で順番に接種が行われています。(予約済みの方のみ)


会場に行かれると驚かれると思いますが、本当に多くの人たちがこの接種を事故なく成功させようと
働いておられます。大型会場ならではのバックアップで、何かがあった時の心強さを感じます。
私たち芦屋市医師会からは常時4名のドクターが派遣され、予診と接種を担当します。



アレルギーの心配

さて、最近当院の診察室でご相談が多いのは
「私のアレルギーでも新型コロナウイルスのワクチンを打っても大丈夫ですか」
というご質問です。
当院は化粧品アレルギーの重要な検査であるパッチテストを行うことができる医院なので、化粧品アレルギーの患者さんは多いほうだと思います。そして、「化粧品アレルギーのある人はコロナワクチンを接種できない」と心配されている方もおられるようです。



実際に起こったアナフィラキシーの症状とは

ここに、厚生労働省が公式に公開している、副反応情報やアナフィラキシーの情報があります。


厚生労働省公式「新型コロナワクチンの副反応疑い報告について」

新型コロナワクチン接種後の
アナフィラキシーとして報告された事例の概要



アナフィラキシーを起こした人の中にはアトピー性皮膚炎がある人、シャンプーや化粧品のアルルギーのある人の報告も上がっています。

中には90分以上経ってから気分が悪くなり、治療を要した人もいたようです。しかし適切な治療によって回復しています。




これらを受けての現場では


これらは医療従事者へのワクチン接種から浮かび上がってきた情報です。その情報を元に、私たちは一般市民への接種でも、化粧品アレルギーがある方に注意を払っています。接種担当医師には注意を促す別色のファイルで回ってきます。
スタッフ全員がその人を注視し、変化の兆しを掴もうと集中します。厚生労働省の報告でも、適正な治療でアナフィラキシーは回復していますので、「接種できない」ということはありません。




アレルギーとストレスの関係

ところで、
アレルギーがある方は肌だけでなく心もとても敏感な方が多いと、長年臨床の現場で診察をしていて私は感じます。
そしてアレルギーの発症には少なからずストレスも絡んでいることが知られており、例えばじんましんはストレスをかけるほど症状が悪化します。





アトピーや化粧品アレルギーが心配なあなたへ

あなたに何らかのアレルギーがある場合、接種当日はリラックスした服装で、ご自身が安心できるグッズを手に持って接種を受けるのもいいでしょう。
心配しすぎて追い詰められた気分では、それだけで気分が悪くなります。

室温の変化に敏感な方は薄い重ね着が便利かもしれません。

また、30分以上待機して帰宅するように言われると思いますが、一人暮らしで心細い場合は、大勢のスタッフがいる近くで、もう少し滞在して様子を見られてもいいのです。ただし撤収の時間には留意いただきたいので、開場から早めの時間帯に接種ができれば尚いいかもしれません。



接種時のストレスコントロール

私がワクチン接種した方の中にも化粧品アレルギーの方がおられました。
私はその方の体に手を添え椅子にはゆっくり座っていただき、深く背もたれにもたれてもらうように伝え、今からここに消毒をしますがアルコール綿花のアレルギーはございませんか、と声かけをして、力を抜くようにリラックスしていただき、表情が和らいでから接種しました。
また、立ち上がるのもせかさず、自分で立てる状況になるまで待ちました。

その後、その方はホールからお帰りになるまで無事だったようです。


まだまだ始まったばかりのワクチン接種ですが、「アレルギー」イコール「ワクチン危険」とも言い切れない面もあるかもしれません。私が長年アレルギーの患者さんを診てきている感触では、今までの副反応の報告には少なからず、ストレスの関与もあるように思えるのです。

ストレスの関与があるかもしれない限り、危険回避の一助のためにも、今後も接種する現場ではストレスの緩和をして差し上げようと思います。これから接種を担当する若いドクターたちにも、ご参考になれば、と思います。








posted by 皮膚科芦屋柿本クリニック at 15:43| その他のいろんな皮膚科疾患の治療
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