
せっかく開けたピアスの孔がうまくいかないことありますよね。
当院には、
「自分で開けた」
または
「クリニックで開けたけど治療はできないと言われた」
などという患者さんがしばしば来られます。
ここでは、実際の症状がどこまで「ヤバい」のか
もうピアスを外してしまった方がいいのか
などを解説します。
では、症状の軽い順から
1)出血

原因
ピアスの孔の中に小さな傷ができていることが考えられます。
その傷さえ治れば、ピアスを継続することは可能かも知れません。
治療
負担の軽い軽量の医療用プラスチックピアスをさし
ピアス孔が閉じないようにキープしながら傷が治るのを待ちます。
2)閉鎖

原因
まだピアス孔が固まる前の段階で、しばらくピアスを装着していなかった時によく起こります。
治療
完全閉鎖の場合は、あきらめて少しずらした場所に新たに開けることをお勧めします。
また、ご本人のご希望があれば、まだ貫通させられるかどうか、
私がピアスを通すチャレンジをしてみることもあります。
3)膿が出る時

原因
化膿菌の感染です。出血などの先行する症状があるはずです。
治療
抗生物質を内服します。消毒は、どちらかというとしないで欲しいくらい、とお伝えします。
「化膿したなら、すごく消毒しないと」と思い、ピアス孔がゆがむ程きつく消毒してしまう方がおられるからです。
たっぷりとひたひたに消毒薬をつけたコットンで患部に消毒液が浸透するくらいで終えてください。
内服で治せますので。
ピアス孔が維持できるか
化膿の程度によります。
治療用ピアスを挿入しながら治療をするチャレンジをすることもあります。
それでも治らない時は、ピアスを外し、孔を一旦閉じることもあります。
4)かぶれ

原因
金属によるアレルギーです。
治療
かぶれ自体は、ステロイドの外用などですぐに治ります。
しかし、金属アレルギーは一生続くので、
非金属のピアスへの切り替えをするか、
かぶれない金属を探すための金属パッチテストを敢行します。
5)しこり

原因
上記のようなトラブルを未治療で、(ある意味なかったことにして)ピアスをし続けると
ピアス孔の周囲に肉芽という固いしこりが発生します。
治療
まず、その孔はあきらめましょう。
残酷な現実ですが、ちょっと痛々しい感じで、おしゃれ目的とは少し違ってしまいます。
治療は、軽度のものはステロイドの注入、重症のものは肉芽の形成手術になります。
これだけにはならないように、早めに相談に来てくださいね。