2023年01月13日

痒みの原因が、その衣類かもしれない問題について









スクリーンショット 2023-01-13 16.12.21.png






体が痒い、と来院される方は1年中おられますが、
特に冬の痒みは重症化しやすいのには
衣類が関係していることもあるので、今回はそのお話をします。










こんなカサカサかゆみ。


スクリーンショット 2023-01-13 11.25.41.png





多いのは背中!


スクリーンショット 2023-01-13 11.25.25.png






よーく観察すると




スクリーンショット 2023-01-13 17.51.57.png






ひび割れている

スクリーンショット 2023-01-13 17.52.19.png









めくれている

スクリーンショット 2023-01-13 17.52.34.png










剥がれている


スクリーンショット 2023-01-13 17.52.49.png






この肌に接する衣類の素材選びは、とても大切です。







今日、この記事を書くにあたり、当院のダーマスコピーで繊維の写真を撮ってみました。












フリース




ポリエステル製、原料はペットボトルのことも多い
化学繊維がオーバーに言うと掃除用のスチールタワシのように編まれている。



スクリーンショット 2023-01-13 16.40.47.png



いいところ:空気を含むので温かいし軽い
悪いところ:痒み肌に着用した場合には、傷口を摩擦して悪化させます。
      冬のパジャマ素材に使われることが増えていますから注意が必要です。



私のおすすめ:下には天然素材の服を着て、その上着として着用しましょう











シルク(絹




お蚕(かいこ)さんは、自分の口から出す繊維でまゆを作る。
そのまゆをほどいて長い繊維にして、それを織ったものがシルクです。
天然素材の最高峰ですが、近年生産が減っています。




スクリーンショット 2023-01-13 16.41.15.png





いいところ:細くしなやかな繊維ですので、織目が滑らかで肌に乗せた時のストレスは限りなくゼロ。
悪いところ:品質の良いものほど高価です。





私のおすすめ:洗っても良いような気軽な価格のシルク、またはお母様が昔使ってたシルクのスカーフなどを、
       ウールや化学繊維の洋服の襟の中に首に巻いて摩擦を防ぎます。










コットン(綿)





植物の綿花から繊維を取り出して織ります。繊維の長い品種ほどシルクに近い感触の高級品。
天然素材の代表格でしたが、これも近年生産が減っています。




スクリーンショット 2023-01-13 16.41.37.png





いいところ:昔ほどではないですが、安価で入手しやすい。洗濯も簡単。
悪いところ:欠点はほぼ無し。織り方によっては(例:硬いデニムなど)刺激になることもある


私のおすすめ:化学繊維の下着の愛好者が人口のほとんどになってきた印象があります。
       痒み肌の人は、綿の下着の上に重ねてください。



上の写真の綿繊維の拡大写真は、私が↓この衣類をダーマスコピーで撮影したものです。



スクリーンショット 2023-01-13 16.42.00.png





患者さんにいつもお勧めする「グンゼ」様のオーガニックコットンの下着です。
拡大像を見ていただいても、そのしなやかさがわかると思います。





薄くてしなやかで肌ストレスがありません。




3E814190-910E-4F37-B1EA-B85BC8C8CAAF.jpeg





気の利いた色や、男性用もあります。



1C86BEA3-80EF-41F2-B8C9-7E05AB95656C.jpeg





実は先日、グンゼ様にご連絡させていただきまして、掲載の許可をいただきました。

オンラインショップ「the GUNZE オーガニックコットン」

ピッタリサイズがお好みの方はいつものサイズより小さめを!







そして皮膚炎や痒みの悪化の原因になりやすいパジャマですが、
やはり綿100%のものを推薦します。




スクリーンショット 2023-01-13 16.42.19.png
(↑契約しているアメリカの画像です)



素材を変えるだけで、痒みの鎮まる感覚を是非知ってほしいです。







それから、人気の高い、薄くて温かく密着する黒い下着シャツなどは

1)特殊な化学繊維の織りが皮膚表面に摩擦を起こすことがある。

2)速乾性のものの場合、常に速乾させようと肌に密着して水分を吸い上げるので
  汗がほとんどでない寒い時期は、大切な皮膚の水分を吸収してしまい乾燥を進行させることがある。



という点も気をつけてください。









posted by 皮膚科芦屋柿本クリニック at 19:02| アトピー性皮膚炎
kakimotoclinicA4