ゴッホは日本の梅の木を実際に見たことはなかったと思います。
しかし、当時日本から輸入された歌川広重の浮世絵「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」には
本当に心惹かれたようで
1887年に「日本趣味:梅の開花」という模写というかオマージュというか
作品を描いています。
左広重 右ゴッホ
そして1890年には、広重にとても影響を受けた構図でアーモンドの花を描いています。

『花咲くアーモンドの木の枝』
当院のプライバシースペースの壁紙は、このゴッホのアーモンドの絵をモチーフとしたオランダからの輸入品です。
日本から輸入された浮世絵の影響を受けたゴッホが、それをモチーフに絵を描いた。
その絵をモチーフにした壁紙を、私たちが輸入して飾る。
130年の時を経て、ゴッホと私たち日本人の美意識は世界を循環しています。
という背景もあって、この壁紙には、梅の枝がとても似合います。

枝の影が壁紙に写って、とても美しい場面を作っています。
今の季節だけの楽しみです。
