「水虫がひどくなって」
と来院される方、特に男性の方の多いのですが
こんな状態。

黄色い汁が付着してただれています。
足の甲にまで広がっているのが特徴で、これは果たして水虫でしょうか。
普通水虫は真菌の感染症なので、
重症になっても透明か白い水疱です。

そこに化膿菌が感染すると赤くなったりします。
こうなると市販の水虫薬では治りません。
水虫と化膿の両方の治療が必要です。

そして最初に戻って、これですが

もう一つ、よく見ると白いパウダーまみれなこともあります。

こんな状況の時の多くが「水虫薬のかぶれ」です。
白いパウダーは乾燥剤で、市販の水虫薬です。
そして、もう一つ悪化させる要因が、タオルを指の間に挟んで
強い力でゴシゴシ洗う「しごき洗い」です。
これは、よくある、皮膚科医も見逃しがちな患者さんの行動ですので、
問診時に気をつけて聞くようにしています。

弱っている皮膚を強い力で洗ってしまうと
治ることなく、重症化します。
こうしてしまう多くの方のお気持ちには
「水虫は不潔な疾患なので、力強く洗浄しなくては」
と、まるで油まみれの換気扇を洗うような気持ちでおられるようで
強い洗浄をやめるようにお話ししても聞き入れてくださらない方もおられます。
しかし、
「交通事故で転倒してできた傷を、タオルでゴシゴシしたら
傷がひろがって重症化しますでしょ、
それと同じ原理ですよ」
と説明しますと、ご理解いただけます。
何事も、ほどほどに、お願いしたいです。