白斑という疾患について、原因と治療などを
メディカルメイクアップアソシエーション様からお預かりしている資料と共にお話しします。
白斑の症状
メディカルメイクアップアソシエーション様パンフレットより
白斑は、メラノサイトが働いていない状態で生じます。
皮膚の構造です
拡大すると
このピンクの丸のようにメラノサイトは存在し
皮膚に色をつけるように信号を送ります。
白斑は、このメラノサイトが働かない、もしくは消滅している時に
生じます。
色を作ることができなくなっている状態です。
当院では、この眠っているメラノサイトの働きを
呼び覚まそう、という治療を行っています。
現在、当院で保険診療で行える白斑治療は以下の通りです。
外用
フロジン液
内服
セファランチン
施術
セラビーム照射
スーパーライザー照射
これで効果が出た方もたくさんおられます。
ただ、メラノサイトが目覚めることなく、色が復活しない例もあります。
そんな時は、
植皮、という手段もある、とご存知の方も多いと思います。
メラノサイトが活躍している場所の皮膚をとって植え替える方法です。
当院では植皮は行っていません。
カラーマッチングが難しく、治療の期間もとてもかかります。
それでも白さが目立つよりは、と、ご希望になられる方もおられますので
その時は上部医療機関にご紹介しております。
私個人の意見ですが
植皮をせずに、隠す、という方法も模索していただくことを
お勧めしています。
そこでご紹介しているのがメディカルメイクアップアソシエーションです。
先ほどの白斑をメイクアップで隠しますと
これは多分、ご本人の肌の色めに合わせたファンデなども用いて
隠しているのかなと思います。
そのほか、水で落ちない着色剤「ダドレス」というものも
開発されています。
肌に塗ると
角質層の奥まで着色できるので
数日間持ちます。
一生定着するわけではなく皮膚の代謝に合わせて取れていきます
請求するとサンプルを送ってくださいます
スポーツなどで汗をかく方で、ファンデは苦手という方にはいいかもしれません。
但し、ご自分の肌の色に上手に合わせるのにはコツがいるので
梅田にカウンセリングルームがありますから
ぜひ、行かれることをお勧めします。
スタッフの方々も、ご自身が皮膚疾患で使っている方もおられ
ご相談しやすい環境です。
ご予算合わなければ、何もお求めにならずとも大丈夫です。
連携の歴史が古くからあるので
当院で聞いたとお伝えいただくと話が早いです。
ここで、サッカー好きの皮膚科医なら、みんなが気になっていたことについて
お話しします。
サッカー日本代表のディフェンダー、伊藤洋輝 選手のことです。
今日未明、伊藤選手はご自身の念願だったビッグクラブへの移籍が
実現し、公式SNSなどで発表されました。
彼がまだU-23世代だった頃から、私は彼が気になって、そして
すごくすごく応援していました。
彼をご存知ない方は、ぜひ、検索してください。
彼の右眉から右目にかけて、白斑があるのです。
彼は2021年からドイツにわたり、メキメキと頭角を表していきました。
それに従って、彼のメディアへの登場が増え、
皮膚科医あるあるで
「治療しないのかな」
「ダドレスご存じかな」
などなど余計な心配をしてしまっていました。
しかし、今では
逆にその白斑があることが、なんとも魅力的で魔力のように人を
惹きつけ
誰もが愛する彼の大きな特徴のようになっていきました。
例えば、お好きな人の多いブラックジャックも、
あの白髪の部分がなければ平凡に感じると思われ、
あれがあるからこそ、彼の複雑な人間味を読者は味わうのだと思います。
伊藤選手は、ご自身の活躍と堂々たる姿勢で
白斑を大きな魅力に変えていってしまったように思えます。
と、ここに書き切るのは、彼のインタビューを見つけたからでした。
https://www.youtube.com/watch?v=RwVCVH3n2Hk&t=55s
ここでは彼が、かつては治療を試みていたことが語られています。
全ての人が、彼のように治療を中止した方がいい、とは
私は全く思っていません。
でも、白斑があってもいい、と思う生き方をする人も
いるんだよ、ということを
悩んでいる患者さんに伝えたくて、伊藤選手のお力を拝借します。
私も大好きな伊藤選手が、バイエルンで益々のご活躍をされることを
心から祈っています。
移籍、おめでとうございます！！
