肥満は、美容的な意味合いで問題となるのではなく、
様々な疾患(病気)の原因となります。
皮膚科の分野でも、肥満が原因の疾患は多くあり、
肥満が解消されない限りは再発を繰り返しそうなものは
とても多いのです。
日本における肥満の定義は
「ウエスト周囲長 男性85p以上、女性90p以上」
と
「BMI25以上」
このBMIという数値をご存知ですか?
BMI= 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
という計算式で調べます。
普通体重はBMI 18.5〜25未満とされ、
それ以下だと、低体重となり、
25〜30未満 肥満度1
30〜35未満 肥満度2
35〜40未満 肥満度3(これ以上は高度肥満)
40以上 肥満度4
というふうに分類されます。
肥満度2以上になると、皮下脂肪がかなり分厚くなるので
脇の下や太ももは、普通に歩くだけでも擦れてしまい
汗の溜まりやすい太い首もですが
あせもや湿疹、そして真菌の感染症、
小さなイボの多発、などが
とても発生しやすくなります。
65歳以上の深刻な肥満の人は
内科的な症状(高血圧や高血糖)や
整形外科的な症状(膝関節炎)
などが生じ始めるので、
各科の先生から「痩せるように」強く求められているケースが
ほとんどですが、
若年層の肥満は、まだそのような深刻な疾患にまでは
至っていないので(いずれそうなる危険性は非常に大きいのですが)
肥満が原因で、まず訪れる最初の診療科は
皮膚科のことが多いのかもしれません。
(10 代から生じています)
そのため、肥満に対しての危機意識が、薄いように感じます。
しかしながら、逆に内科的な疾患を抱える年齢になってから
体重を減らすのは至難の技です。
長年、親しんできた食習慣を改めるのは本当に大変です。
私にとっても誠に難しい説明になるので、
よっぽどの時にしか
「体重が増えすぎているのが原因ですよ」とは
言いにくい、または言えません。
(誰だって太り過ぎって言われたくないですものね)
でも、シニア世代になった時の健康を考えると
今、対策を立てた方がいいんじゃないのかなあ、
と心の中で思います。
私ごとですが、私は本当に太りやすい体質で、
油断をすると、大変なことになります。
15年くらい前なんて、怖くて体重を計っていませんでしたが、
おそらくはBMI が27くらいにはなっていたと思います。
初期の

をきっかけに(原因に肥満もあったので)
体重減少を心がけ体重を減らしました。
体重の減らし方のコツは、
「体重を増やさないこと」
毎朝、決まった時間に
例えば起きてすぐ水も食事もとる前に
体重を計ります。
必ず、専用のカレンダーにその体重を書き込みます。
私は自分専用の卓上カレンダーを使います。
前の日よりも増えていたら、その日は食事制限をします。
おかずは食べても米は抜いたり、という程度です。
これを毎日頑張っていると、
前の日よりも、ちょっと体重が減った日が出てきます。
そうしたら、その次の日は、その減った体重以上にならないように
食事に気をつけます。
その程度でいいのです。
変わったダイエット食を食べる必要はありません。
女性は月経時は2キロくらい増える人もいるので
月経終了後にまた元に戻っているか、
それもカレンダーに書いて管理します。
そうしていると1〜2年で気がつけば10キロくらい減っています。
普通体重になったら、
あとは増えないよに体重を計って管理してください。
50歳代までには普通体重に納めるように。
それが全ての健康のためになります。
一緒に頑張りましょう。
posted by 皮膚科芦屋柿本クリニック at 11:44|
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