静脈瘤は、心臓血管外科の疾患です。
しかし初期症状として皮膚に異変が現れるので
当院でも大変ご相談の多い疾患です。
主に膝から下に現れます。
このように静脈が蜘蛛の巣のように、又は網目のように浮かび上がってきます。

重症化すると、太い血管がミミズのように浮いてきます。


皮膚科に来られるきっかけは、こんな皮膚炎が生じている時です。
静脈瘤発症の仕組み静脈瘤の原因は複雑ですが、発症の仕組みの説明を試みてみます。
GIFは私が作成しました。(転載はご遠慮ください)
人の体の隅々まで血液を送っているのは心臓です。

心臓から送り出される血液を動脈血といいます。

足のほうに降りていく血液は、重力もあって楽に運ばれますが
心臓に戻る静脈血は、重力に逆らって心臓まで上らなければなりません。

そこで静脈の中には弁という仕組みがあります。

これが動くことで、血液を上方へ送り出すのです。

(作成頑張ったGIF1。60点ですね)しかし、加齢、筋力低下、運動不足、立ちっぱなし、座りっぱなし
糖尿病など疾患
などで、弁の動きが悪くなります。

そうすると、上方に血液が送り出せず、鬱滞します。

それによって、静脈がふくれてくるのです。


(頑張って作成したGIF2)
その膨らみが、この静脈の瘤(コブ)です。

重症化すると、痛み、痒み、歩行困難となる方もおられますので
静脈瘤の治療を行うことになり
当院の場合ですと心臓血管外科へのご紹介となります。
信頼のおけるドクターと長年連携しています。
重症化の予防ですが
外から静脈に圧をかけること。

弾性ストッキングは有効です。

筋力を増やすこと

足を下ろしっぱなしにせず、できるだけ心臓に還流できるように足を上げて横になる。
先の細い靴を履かない。
などの注意をなさってください。
静脈瘤の治療の入口は皮膚科です。
ご遠慮なくご相談ください。
posted by 皮膚科芦屋柿本クリニック at 10:47|
足・爪・靴に関する疾患