
サッカーのプロリーグのJリーグには3階層あります。

それぞれに20チームが所属しています。

プロ野球と違って、大変恐ろしいのが、
下位3チームは、下の階層に格下げになる、というルールです。

その代わり上位のチームは上の階層に上がることができます。
(とってもザクっりな説明なので興味あったら調べてください)

そのトップJ1リーグには、人気チームが多く、予算も多いので
応援する人の数も大変多くなります。
20チームは、お互いのホームと相手のホームの2回対戦します。
それなので、リーグ戦では同じチームとは年に2度しか戦いません。
(カップ戦というものがありますが、難しいので端折ります)
そこに、楽しみがあるんですよねえ・・・

例えば、アルビレックス新潟というチームと
新潟県で戦えるのは年に1回だけなのです。
そこで
Jリーグのサポーターたちの国内遠征は、
年に一度の対戦を、周囲への観光とともに楽しもうという行動をとり
その消費が、時に地元経済にインパクトを与えることもあり
上手に活用すると海外からの観光客とはまた違った影響を
地域に与えることになります。
昨日4月6日(日)は、
別名「蝗(イナゴ)」と称されるFC東京というチームのサポーターたちの
消費行動が、Jサポ界隈で大きな話題となりました。
今年、岡山市にあるファジアーノ岡山というチームが
チームの悲願であったJ1リーグに初めて昇格しました。
つまり我々Jサポーターは、初めての岡山遠征、という体験を
今年はすることができるわけです。
その「遠征」という行動に、「食道楽」を結びつけて
あらゆる情報を収集して名物料理をイナゴのように食べ尽くす
それがFC東京のサポーター、そしてその行動を「蝗活」と呼びます。
蝗活の歴史は古く、
2014年には甲府との試合の前後に
名物ほうとうの専門店に
FC東京のユニフォームを着た軍団が大挙して押し寄せ
とうとう完売させ、店を早仕舞いに追い込んだり

2022年には
サガン鳥栖との試合に遠征した蝗軍団が事前の情報で
鳥栖のスーパーの「ミンチ天」を襲撃のターゲットに決め
早々に棚を空にさせるほど爆買いをしたり

2018年にはヴィファーレン長崎との試合の前に
スタジアムに出店している「豚の角煮まんじゅう」の会社が
「かかってきなさい、絶対に売り切れないほど用意しました」
と煽ったものですからもう・・・・・・。
はい、当然完売です。
「まだあるのか、よーし」とばかりに
一人で試合前試合後に何個も食べていくんですって。
まさにイナゴ。。。。
他サポも毎回、この蝗活の顛末を楽しみにしています。
さて、そのイナゴたち、FC東京サポーターが初めて岡山に来る!
というので岡山サイドも万全のおもてなし体制を組み
「#東京サポを岡山から空腹で帰すな」
というハッシュタグでSNSを使って美味しいもの情報を発信し続けていました。
そこに乗っからない蝗たちではありません。
スタジアム周辺にとどまらず、岡山県全域に食べ歩きをして
SNSにこのタグをつけて配信していったのですから
地元民を巻き込んでの盛り上がりを見せ
チームの方も、こんな広告で

告知が試合よりグルメ・・・
(ちなみにこのゆるムードで油断させたのか、試合は岡山の勝ち)
この騒ぎに気がついた
岡山県ではテレビのローカルニュースも放送していたようです。
Jリーグの試合自体はゴール裏席の値段が3000円なので
その何倍もの外貨(笑)が稼げる遠征活動。
行政も本腰を入れていくようです。
地元観光業にとってもインバウンドとノリが違って、楽しいのではないでしょうか

そんな私も遠征大好きで、試合の結果は覚えていないのに
その土地土地での出会いは忘れ難い思い出に変わります。
と、長い前振りになったのですが、今日この記事を書こうと思ったのは
2017年の仙台遠征のことをお話ししたくなったからです。
2017年、その時はJ1にいたベガルタ仙台との試合を応援に私は仙台に向かいました。
昔から伊達政宗公と仙台箪笥に憧れていた私は、
その遠征の時に青葉城と本場の仙台箪笥を見たい、という思いもあったのです。
試合の結果は覚えていません(多分負けたように思います)
一泊して翌日に向かったのは
青葉城と、
欅産業さんの今は移転している北仙台ショールームでした。
その時は、まだ震災から6年しか経っていなかったんですよね。
対応してくださった女性が、たまたまベガルタ仙台のサポーターだったので
試合を見に兵庫県から来た私を、これはやっぱりサポ同士の連帯意識で
歓迎してくださり
商品のこと、震災の当日、ここで勤務していた時のこと、
その後、津波で沈んだ仙台箪笥をたくさん修理したこと
たくさん聞かせてくださいました。
私はあらかじめ調べておいた商品を、とても小さなものですが
その場で会員価格にしていただき購入できました。
今も私の部屋にあるその小さな箪笥を見るたびに、その旅を思い出すのですが
今後この贅沢品とも言える仙台箪笥の生産はどうなるのだろう・・と
つい考えてしまいがちでした。
ところがですよ、
長かったなあ前振りが。
先日の神戸新聞で、この欅産業さんが取り上げられていたのでした。
「仙台箪笥 華麗に重厚に」
という記事で

ああ、どうも訪日客もこの素晴らしさに気がついたようです。
よかった。本当によかった。
あの日、担当してくださったAさんもお元気かなあ。
どうか、この技術を伝承してくださいますように。
心からお祈り申し上げます。
イナゴから仙台箪笥まで転がりましたが
これが私のJリーグ旅なのです。(自己紹介)