
わき汗の重症の方のご相談は、皮膚科で扱う疾患の中でも
なかなか治療の難しい疾患でした。
わき汗は以下の診断基準によって
「原発性腋窩多汗症」と診断されます。
(以下の条件に満たさないものはこの疾患とはみなされません)

わきの臭いの原因はアポクリン汗腺から出る汗だということが知られていますが、
わき汗の原因は主にエクリン汗腺からでる汗で、体温調節のために出るのだということがわかっています。

このエクリン腺は交感神経の指令を受けて、温まった体の体温を下げるために汗を出します。
この一連の動きを抑えるために、先に薬剤として承認されたのはボトックス注射でした。
両脇に各々13カ所、計26カ所ほどボトックスを注入することで4ヶ月ほどは発汗を抑制する効果が続きます。
(当院は行なっておりません)
そして、今月発売になったのが
科研製薬さんの「エクロックゲル」です。

治療の最しては、多汗症の状態がかなり重症である方に適応と認められます。

上記の診断基準で3か4の患者さんが、エクロックゲルの治療を認められます。
写真の容器が14日分です。
薬価は3割負担の方で2500円ほどかかります。

1日1回、
一番上のキャップを外して
ジェルをワンプッシュ押し出し、
この面を腋に当てて塗り込みます。

ボトックス注射の痛みが耐え難いという人もいるようですので、
この新薬に大きな期待が寄せられています。
当院でも本日より処方が可能となりました。
処方が可能な方は、上記のように条件が限られていますので
まずは診察にお越しください。
上記の診断基準に適合しない方には、従来通りアルミ水の治療をお勧めいたします。